SEOを意識した記事作りで最重要な「見出し構成」。上位表示するかどうか、8割くらいは見出し構成時点で決まってしまいます。
しかし、一般的に言われている、SEOを意識した見出し作りはこんな感じでしょうか?
- タイトルや大見出しにKWをなるべく入れる
- KWは左詰めで書く
- 上位表示してるサイトを参考にする
確かに間違ってはいないです。しかし、解像度が圧倒的に低すぎます。このくらいのことはどのサイトも当たり前にやっているので、差別化が難しく、上位表示できるかはギャンブルです。
#106では、見出し作りをロジカルに捉え、再現性のある手法/手順を追求しています。
このページでは、見出しの重要性や見出し作りの心構えを解説。その後に具体的な作り方を解説していきます。
SEO記事で見出し構成が重要な3つの理由
まずは見出し作りがいかに重要かを3つの観点から、再認識しておきましょう。
- 執筆作業の準備として
- 検索結果で上位表示するため
- ユーザーのため
執筆作業の上で北極星となるのが見出し。”いい記事”になるかは、すべて見出し作りにかかっています。
1.執筆作業の準備として
そもそも見出しをきちんと設計してない状態で執筆をはじめると、デメリットが多すぎます。
- 書く内容がブレ、大きな時間ロスに
- ロジックの破綻が増え、修正作業が多くなる
- ユーザーの検索意図を捏造してしまい、ニーズに応えられない
こんなの当たり前だよ、と思うかもしれませんが、ほとんどの人がその”当たり前”をきちんとこなせていないのが現状です。
というよりも見出し設計の基準が甘すぎるため、作業時間に対してコンテンツの質が低い状態に陥ってしまいます。
執筆は準備が8割
作業時間の割合は、見出し作成/リサーチ:執筆/編集=8:2くらいを意識するのがベストです。
準備段階で「最高のコンテンツができそうだから、早く書きたい!!」と高揚感が得られれば、自ずと見出しも完璧な状態に近づいているはずです。
逆に、その感覚がないまま書き始めても、質の高いコンテンツができる確率はほぼ皆無です。
執筆で悩む原因は全て準備不足に帰結します。
“急がば回れ”、ありきたりな言葉ですが、これ以上執筆準備における心構えをクリティカルに表現できる言葉は他に見つからないでしょう。
2.検索結果で上位表示するため
サイト設計や被リンクなどSEO施策は数多と存在しますが、コンテンツ(記事)においてはタイトルや見出しがSEOに与える影響は文章よりも圧倒的に大きいです。
タイトル >> 大見出し >> 中見出し >> 文章
あくまで経験則に基づく体感値ですが、見出し/タイトルが7割ほど占めます。
実際には見出しの質とコンテンツの質は相互依存関係にありますが…。
- 良い見出しを作るには、鋭い洞察が必要
- いいコンテンツを書くには、良い見出しが必要
鋭い考察がふんだんに盛り込まれてる記事でも、見出しがダメだと上位表示することはほぼありません。
厳しい言い方ですが、上位表示していない記事はユーザーの目に触れることがないので、この世に存在していない(存在価値がない)のと同じです。
SEOはあくまで手段
SEOを何かのスキルや魔法と捉えている人も多いみたいですが、それは全くの間違いです。
「コンテンツイズキング」という言葉通り、SEOはあくまで高品質のコンテンツを多くのユーザーの元に届ける手段に過ぎません。
見出し作成だけでも、SEOを意識したあらゆるテクニックがありますが、それらは全て徹底したユーザー体験の追求に着地します。
3.ユーザーのため
記事においては見出しが目次になります。
ページに入ってきたユーザーは、まずは目次(もしくは冒頭文)を見て、自分の悩みや質問に対する答えが書いてありそうかを判断します。
その際、「あっ、これ私が知りたい情報だ」と直感的に思えなければ、驚くほど早くページから離脱してしまい、SEOにも悪影響を及ぼすでしょう。
KWは文章を単語ごとに区切って抽出した言葉(いわゆる形態素解)。
つまり、検索意図の把握≒KWの行間を埋めてニュアンスを付与する、ということになります。
行間を正確に埋めることができれば、ユーザーにとって分かりやすい見出しを作れるでしょう。
全てはユーザーのために帰結する
Googleの収益源は広告収益。その広告収益はユーザーが多ければ多いほど高くなります。
ユーザーを増やすためにGoogleはユーザー第一主義でアルゴリズムを開発しており、それに対する施策がSEOです。
「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」、というGoogleの経営理念通り、迷った時は「ユーザーのために何ができるか?」を考えれば、自ずと見出しの最適解を導き出せるはずです。
SEO記事の見出し構成作りのコツ
#106が考える見出し作りの捉え方や、心構えは以下の通り。
- 見出し = 記事特有の考え方
- 見出し作り = 論理パズル
- “完璧な見出し”を追求する
とはいえ精神論ではなく、ロジカルな根拠に基づいており、見出し作り以外の工程でも応用が効くので、きっちり理解しておきましょう。
「見出し」=記事特有の考え方
そもそも「見出し」というのは、記事特有の考え方。
究極的なユーザビリティを追求するのであれば、一つ一つのテーマごとに、ページを設計するのがベストですが、それは多大な労力と工数、時間がかかってしまいます。
つまり、敢えて悪い言い方をすると、仕方がなく無理やり”記事”にしているのです。
しかし、だからといってサイト設計の際と基本的な考え方は同じ。
以下のように、「ページとして成り立っているか?」を常に意識して見出しを設計していきます。
- 重要な情報ほど上にくるように見出しを設計する
- 記事テーマに対して網羅的にKWを使う
優先度を決めて順番を決めよう
「記事」という仕組み上、ページに入ってきたユーザーは上から順に閲覧するほか方法はありません。(目次からジャンプすることはできるが…)
つまり見出しも上から順に優先度が高い内容にするべきなのです。
また、メインの話以外でも、その情報があると嬉しい人がいる場合は、「よくある質問」として一問一答形式でまとめてあげると、網羅性も満たせます。
「見出し作り」=論理パズル
見出しづくりは、SEO的にもユーザーにとっても最適なものである必要があります。
以下のように、満たしたい条件から逆算的に考えた要素を満たすように、ある種「論理パズル」的に考えていくのが見出しづくりです。
- パット見て理解しやすい
- 見出しの数は最低限に止める
- 歯切れよい文章にする
- 検索意図に的確に答えている
- 主要ニーズの言葉にする
- ニュアンスを正しく伝える
- 専門的な知識がわかりやすく解説されている
- 相手の言葉(顕在KW)で見出しを作る
- 大見出し:ニーズが大きい順に並べる
- 中見出し:ロジックが通るように並べる
- 網羅性(他ページに遷移する必要なし)
- KWやSugest/LSIを網羅的に見出しに入れる
- メインではないが重要な話はよくある質問にまとめる
“完璧な見出し”を追求する
上位表示している他サイトの記事は”SEO的には”一種の答えです。
しかし、記事のコンテンツ以外の要素(ドメインパワーなど)も上表示にはかなり関係しているので、それがユーザビリティーを考えたときの最適解とは限らないです。(むしろそうでない場合がほとんど)
少し哲学的な考え方になってしまいますが、以下の全てが究極的に交わる理想形が、理論上は存在します。
- 記事単位でSEO的に最適な見出し
- サイト全体でSEO的に最適な見出し
- ユーザーにとって最も使いやすい
「他サイトに比べて」と相対的なものではなく、絶対的な理想形≒”完璧な見出し”を追求する、という心構えで見出し作りを行いましょう。
ミクロ/マクロ両視点のセルフチェックが必須
完璧な見出しに仕上げるためには、ミクロ〜マクロに到るまで、さまざまな角度/視点からチェックする必要があります。
- KWが見出しに含まれているか?
- 各見出しがKW検索意図を的確に捉えれているか?
- 美しい見出しか?(可読性/可視性)
- ニーズに応えきれているか?
- 無駄な見出しがないか?
- 別記事があったほうが親切な見出しはないか?
これらを同時並行的に行うために、”大局観”を意識して見出しを作成していきましょう。
“完璧な見出し”の追求に慣れていないと、リサーチから構成が完成するまで、半日~3日くらいかかることもあります。
しかし、以下の思考力を意識しながら、手順や考え方をブラッシュアップしていくと、格段に効率が上がります。
- 仮説思考力:結論から考える
- フレームワーク思考力:全体を俯瞰する
- 抽象化思考力:単純に考える
慣れてくれば最短で20分、長くても1時間ほどあれば質の高い見出しが作れるようになってきますよ。
SEO記事の見出し構成の作り方を5工程+αで解説
#106membersの「SEOライティング・マスターコース」で解説している見出しの作り方の全工程を言語化してまとめました。
- テーマを理解
- 各KWの検索意図把握/グルーピング
- 仮見出し作成
- ブラッシュアップ
- 執筆しながらブラッシュアップ
- 2〜3ヶ月ごとに調整
執筆中の迷子防止&復習用としてお役立てください。

1.テーマを理解
記事テーマ(狙うキーワード)を見て、いきなり見出しを作り始めるのはもちろんダメです。(というより無理…)
まずは以下の工程を踏み、与えられた記事テーマに対する理解を深めていきます。
- 記事テーマに対して想像を膨らませる
- 上位表示している他サイトを見る
- KW/Suggest/LSIを書き出す
1-1.記事テーマに対して想像を膨らませる
まず上位表示している他サイト記事やSuggestを見るのがテーマ理解のセオリーですが、そこで抱いた先入観が、検索意図の正確な把握に支障をきたします。
そこで第一優先させるべきは、記事テーマに対して以下のような想像を膨らませることです。(テーマに対して全くの無知識だと難儀しそうですが…)
ざっくりと検索意図を捉えるには、5W1Hで考えるのが最も簡単な方法でしょう。
When(いつ) | 事前?事後? |
Where(どこで) | なぜGoogleで検索するのか? |
Who(だれが) | どういう人が検索した?(≒ペルソナ) |
What(なにを) | 何を知りたいのか? |
Why(なぜ) | 知ってどうしたいのか? |
How(どのように) | どうやって解決したいのか? |
ユーザーの検索目的を意識しよう
意外と意識できてる人が少ないのが、すべてのキーワードに疑問符のニュアンスが含まれていること。
一般的に人が検索エンジン上で検索を行う際には、以下のように目的がぶらさがっています。
- 「何かを知りたいとき」
- 「目的の場所がどこにあるのか知りたいとき」
- 「何かを自分でやってみたいとき」
- 「何かを買いたいとき」
ただ単に知りたい、というのは稀で、だいたいのKWではその先の行動に対するアドバイスまでも潜在的に求めています。(≒潜在ニーズ)
検索エンジン側は分解できる最小単位の単語ごとに区切って、検索意図を把握しています。(いわゆる形態素解析)
行間にどんな言葉が含まれているかを、データや経験則などを元に、深い洞察で紐解いていくのが、検索意図の把握の本質的な方法です。
1-2.上位表示している他サイトを見る
KWに対して想像が完了し、自分なりの見解をもてた、と思ったタイミングで初めて、シークレットモード(Googleのプライベートブラウジング)でそのKWを検索します。
上位表示している他サイトの記事は”SEO的には”一種の答えです。
しかし、記事のコンテンツ以外の要素(ドメインパワーなど)も上表示にはかなり関係しているので、それがユーザビリティーを考えたときの最適解とは限らないです。(むしろそうでない場合がほとんど)
他サイトの視点を参考に知識を吸収して、記事テーマに対する解像度を高めていきましょう。
1-3.KW/Suggest/LSIを書き出す
記事テーマを見つめるだけでは、検索意図の把握に限界があります。実際には概要をなんとなくつかめただけで、細かなニーズにはほとんど理解が及んでいません。
まず第一段階として、検索ワードにはさまざまなニーズが内包されています。そこで解像度をさらに高める手助けとなるのが、周辺のKWです。
#106では、以下の3つから複合的に周辺KWを書き出す手法を採用しています。
① KW | SEOツール(#106ではAhrefsを使用)から抽出 |
② Suggest | Googleの検索窓に表示される「予測キーワード」 |
③ 関連するKW | Googleの検索結果下部に表示される「関連する検索キーワード」 |
それぞれの役割
上記の3つは似ているようで少しずつ役割が異なります。
KW | 表層化しているロングテールを検索ボリューム順に見れる |
Suggest | Googleがおすすめするロングテール(トレンドニーズも反映される) |
関連するKW | ユーザーが再検索しているKW(上位表示してる他サイト ニーズを満たせていない) |
役割を踏まえた上で、重要なキーワード(ニーズが大きいもの)を大見出しや中見出しに入れていきます。
定量的なナレッジは開発できていませんが、現状思いつく限りだと以下のような感じでしょう。(もちろん例外があるので、役割を考えながら臨機応変に対応しましょう)
- サジェストは中見出しに入れる
- KWは上位20個くらいはなるべく入れる
- 関連するKWは必要に応じてよくある質問などに入れる
KWを盛り込めば検索意図を満たした見出しが自然と作れる、と思っている人も多いようですが、それは全くの逆です。
高い熱量で取り組み、解像度が高くなれば、必然的に記事に盛り込むべき情報量が多くなります。
- 誤認:KWを見出しに盛り込めば検索意図を満たし、上位表示できる
- 正解:検索意図を正確に把握できていれば、自然と見出しや文中にKWが入る
記事のクオリティーが、”熱量”となんとも曖昧な表現で議論されることが多いのは、これが一因です。
2.各KWの検索意図把握/グルーピング
「テーマ理解」の工程で周辺KWを書き出しましたが、それだけではほぼ無意味です。
やった気になって、ユーザーの検索意図を妄想で決めてしまうのは、SEOライティングにおいては絶対的な悪(アク)。
以下の工程を丁寧に行い、各KWの検索意図を把握し、グルーピングして準備をしましょう。
- 各KWを一個一個検索
- 小/中グループを作る
- 大グループを作る
2-1.各KWを一個一個検索
書き出したロングテールのKWを一個一個Googleで検索してみましょう。
すると、記事テーマとは、上位表示しているサイトが異なることに気づくはずです。
周辺KWを一つひとつ丁寧にリサーチすることで、初めて細部の検索意図を読み取ることができ、ユーザーへの配慮が行き届いた厚みのある記事になっていきます。
- 狙いたいKWの上位10サイト:雑な概要しか掴めない
- 複合KWの上位10サイト:細部に至るまで検索意図を読み取れる
その際、さらなるロングテールや関連KWでめぼしいものがあれば、盛り込みたいKWとしてメモしておくべきでしょう。
検索ボリュームが小さい(具体性が高い)KWでは、複合KWでも上位表示しているサイトが、かなり似通っているケースが多いです。
つまりは1記事だけあれば、Suggestなどに出てくるKWでも上位表示できる可能性が高いです。
しかしKWの抽象度が上がるにつれ、一記事だけで上位表示する難易度が高まります。
(たとえば「楽天カード 審査」を狙った記事では、「楽天カード 審査 時間」は上位表示できない)KWが具体的:1記事あれば十分なケースが多い
- KWが抽象的:複数の周辺記事が必要
このように、周辺KWをリサーチする段階で、他にどんな別記事が必要かも判断できます。(「楽天カード 審査 時間」を狙った別記事が必要)
ディレクション業務をでは、記事最適だけではなく、サイト全体最適までをも大局的に意識できるかが鍵になってきます。
Twitterなども活用
周辺KWの場合、上位記事だけをみても、検索意図がわからないケースが多々あります。
そんな時はTwitterなど(他にYahoo!知恵袋など)で検索して、リアルな口コミからインスピレーションを得るのも一つの手です。
ラフに書き込みされているので、顕在化している悩みの些細なニュアンスまでを正確に感じ取ることができます。
執筆ジャンルの経験値が貯まればKWをみただけで、なんとなくの検索意図は掴めるようになります。
しかし、それこそ引き締め初心に帰るべきタイミングです。
敵は本能寺にあり。自身の思い込みや先入観、これこそが検索意図把握の一番の敵であることは常に意識し続けましょう。
2-2.小/中グループを作る
各KWの検索意図のリサーチと同時に、意味合いや使うシーンが近い言葉をグルーピングしていきます。(小グルーピング)
グルーピングといっても、この段階ではテキストエディターに単語を並べるくらいでOK。
この作業を行うことで、同一中見出し内で使うKWをざっくりと把握できます。(つまりは超ざっくりと中見出しができる)
そこでできた複数の小グループ同士で、ニーズやテーマが近しいものを、ブロックにしておきましょう。(中グルーピング)
- 小グループ:同一中見出し内で使うKWの集合体
- 中グループ:小グループの集合体
見出しにするほどでもないKWでも、SEO的には文章中には絶対あったほうがいいので、それもメモしておくと後々便利ですよ。
中見出しは3〜5個におさまる
中見出しの数はどんなシーンでも3~5個に収めるべきです。
それ以上/もしくはそれ以下でも、目次での視認性やロジック理解などに支障をきたすからですね。
ただし、大見出しが「おすすめ〇〇選」や「○つのメリット(デメリット)」などで中見出しに並列的な要素がくる場合は、6個以上になるケースも。
イレギュラーなケースに遭遇しても、「ユーザー第一主義」で臨機応変に対応して行きましょう。
中見出しにはニーズが強めの周辺KWを挿入しましょう。あくまで目安ですが、イチマルロク内では以下のような基準で使用しています。
- KW(ボリュームが大きいもの)
- Suggest(なるべく全て)
- LSI(必要に応じて)
記事テーマは大見出しに書いてあれば、SEO的には十分。(大見出しで使っていても、主要周辺KWは中見出しで再利用してOK)
同じ単語が何回も出てくると、目次時点での視認性が一気に落ちるので、周辺KWを入れつつ、ユーザーの検索意図に合わせたわかりやすい中見出し作りを心がけましょう。
2-3.大グループを作る
小/中グルーピングと同時並行的に大グループも作って行きます。これが大見出しの前身となるものです。(つまり大グループの数≒大見出しの数)
その大グループの作り方には大きく分けて二つのアプローチがあります。
- 中グループにタイトルをつける
- 記事テーマの主要ニーズから考える
基本的には中グループを包括するタイトルをつけるのでOKですが、この視点だけだと、木を見て森を失いがちになります。
つまるところ、記事テーマに対する主要ニーズを取りこぼしかねないのです。双方のアプローチを行うことで、検索意図をクリティカルに満たせる大見出しになります。
大見出しは3~5個にはおさまる
中見出しと同様、大見出しの数もほとんどのケースで3~5個におさまるはず。
この数字はよくある質問やまとめも含めて。
記事テーマの主要ニーズは1~3らいにはおさまるはずなので、かなり現実的でしょう。
大見出しに入れるべきKWはざっくりと二種類あります。
- 記事テーマ
- 主要ニーズに関連する主要KW
記事テーマはなるべく全ての大見出しにを入れたいです。(ただし「まとめ」は入れない方が自然)
そして主要ニーズに関連するKW(KWとして顕在化していない場合は自分で設置する)を各大見出しに挿入しましょう。
3.仮見出し作成
グルーピングしたKWを日本語に昇華させ、並び替え、仮見出しを作成していきます。
- 行間を埋めて日本語に昇華
- 大/中見出しを並び替える
- タイトルをつける
見出しと記事の中身は相互依存関係にあるので、この辺りから、内容をどんどんメモ(執筆メモ)していきましょう。
見出しの提出時点では、小見出しやMEMOタイトルは完成していなくてもOKです。
ただ「この内容は小見出しにしよう」「ここはMEMOにしよう」などと、そこまで想定して執筆メモに残しておくと、のちの執筆作業が圧倒的に楽になりますよ。
3-1.行間を埋めて日本語に昇華
グルーピング作業で完成したのは、単なる単語の羅列。
それを日本語として意味のとおる見出しにするために、言葉を補足していきます。
キーワードはあくまで文章を言葉の意味を持つ最小単位の列に分割(形態素解析)して、主要なものを拾ったもの。
その工程で抜け落ちた、検索者の言葉(検索意図)を推測して、行間を埋めていくイメージです。(AlexaやSiriで音声検索するシーンを想起するとわかりやすい)
3-2.大/中見出しを並び替える
大見出しや中見出しを適切に並び替えます。(各種グループ作成時に同時並行的に行いたい。)
大見出しの場合は、基本的にはニーズの大きい順に並び替えればOKです。(もちろん例外アリ)
しかし中見出しの場合は、それ以外に、ロジックやユーザーの知識の深まりにも、注意を向ける必要があります
- 大見出しの並び替え:ニーズの大きい順
- 中見出しの並び替え:ニーズの大きい順/ロジック順/ユーザーの知識レベル
記事の全てを読んでもらえるとは限らない、という大前提は変わりませんが、同一大見出し内の中見出しなら、上から順に読まれる可能性はかなり高いです。(よくある質問を除く)
文章と同じく、以下のような観点から順序立ててわかりやすい順番に並べましょう。
- 時間軸
- ユーザーの知識の深まり
- ロジック順
3-3.タイトルをつける
タイトルがSEOに与える影響はどの見出しよりも大きいです。
以下のような観点に気をつけて、記事で解説している内容を究極的に要約したようなタイトルをつけるのがベストです。
- 記事テーマや主要なKWを入れる
- 記事テーマに対する主要ニーズは前半に
- 周辺KWで重要なものは後半に
とはいえ、基本的な考え方は見出しと同じです。中見出しをまとめるものが大見出し、大見出しをまとめるものが記事タイトル。
もっというと、記事をまとめるものがカテゴリーページやサイト本体になるのです。マトリョーシカのように、サイト全体が入れ子構造で成り立っていることを常に意識しましょう。
※入れ子構
4.ブラッシュアップ
もう一度以下の3つの観点から、見出しが本当にユーザーファーストになってるかを確かめましょう。
- ニーズの大きいほうに寄せる
- ニュアンスを正しく伝える
- 歯切れよい文章
この段階を完了させるには、記事の内容までも90%ほどは決まっていないと不可能。
見出し提出の工程が終了次第、すぐに執筆に取りかかれるように、執筆メモもここで完了させておきましょう。
4-1.ニーズが大きいほうの言葉に寄せる
一つのKWでも二つ以上のニーズが含まれている可能性があります。
複数のニーズがある場合はどちらかに無理やり一つに絞るのはナンセンスです(ニーズを書き手側が取捨選択するのはダメ)
どちらも重要/もしくは似たようなニーズの場合は並列で書いてもOKですが、そうでない場合、よりニーズの強そうなものに重み付けし、見出しの内容もそれに寄せるとよいでしょう。
例えば中見出しに入れたい「〇〇 △△」というKWにA(ニーズ強)/B(ニーズ弱)のニーズがある場合は、以下のようにするとスッキリします。
- 中見出し:A(ニーズ強)
- 小見出し:B(ニーズ弱)
4-2.ニュアンスを正しく伝える
見出しの判読性を上げるには、少ない言葉でニュアンスを正しく伝える工夫が必要です。
その上で重要な要素が”確信性”、つまりその主張をどれくらい信用していいか、そのニュアンスが以下のように明確になっている状態です。
※画像
確信度の表現一つとっても、ユーザーに伝わる印象はガラッと変わるので、言葉の節々にまで気を配りましょう。
4-3.歯切れよい文章にする(リズム感を与える)
ニュアンスを正しく伝えようとすると、どうしても長ったらしい文章になってしまいます。
日本語としての体裁を保ちながら、いかに歯切れよい文章にできるかが、可読性を上げる鍵になります。別の言葉で表現すると「リズム感」ですね。
文章として表現しなくても、助動詞や数字、記号などを使いこなすことで、歯切れ良い文章になり、微妙なニュアンスを表現できます。
歯切れの良さは、見出しの短さにも密接に関係しています。
目次で見たときに文字だらけだと、気が滅入って読む気が失せてしまいますよね。(視認性が低いため)
さらに読みやすさ(可読性)を考えたときも、短い文章の方が頭に入ってきやすいです。
5.執筆しながらブラッシュアップ
もちろん執筆前段階で完璧な見出しを追求できるのがベストですが、執筆作業中にも細やかなブラッシュアップが必要になります。
参照した他サイトの情報が間違っていたり、ロジックの破綻を見つけたなど、執筆段階でようやく気づけることがあるからですね。
- 大見出し/中見出しの微調整
- 小見出しの調整/memoの調整
- 全体の最終調整
5-1.大見出し/中見出しの微調整
基本的には「思い込みの調整」と捉えておけばOKです。
見出し作成時には発見できなかった微妙なニュアンスも、この段階で付与できるとさらに良いです。
5-2.小見出しの調整/memoの調整
ただし小見出しやmemoタイトルがSEOに与える影響は、大見出しや中見出しよりは圧倒的に少ないので、そこまでKWを意識する必要はありません。
それよりもむしろ、ユーザー(受け取る側)の気持ちドリブンで、シーンに合わせた言葉で、分かりやすさに注力するべきでしょう。
欲をいうと、関連KWやボリュームの小さいKWを入れらるのがベストです。
5-3.執筆後に最終調整
執筆後にレギュレーションなどと見比べながら最終調整を行いましょう。
6.2〜3ヶ月ごとに調整
見出しづくりは、公開した時点で終わりではありません。
メディア運営者サイでは、以下のように見出しやタイトル、コンテンツまでをも2~3ヶ月ごとにブラッシュアップしています。
- 上位表示してない理由をチェック(アルゴリズム最適)
- 最新情報かを定期的にチェック(記事最適)
- 別記事とのカニバリをチェック(サイト最適)
6-1.上位表示してない理由をチェック(アルゴリズム最適)
上位表示はあくまで、他サイトとの相対的な評価。
絶対的に素晴らしい記事(見出し)を作れたとしても、細部で他サイトよりも劣っている点があると上位表示しません。(むしろいきなり上位表示する方が稀。)
他サイトの差異を離脱率やクリック数などからデータ・ドリブンで複合的に分析して、見出し/タイトルの調整を行い、上位表示を目指します。
6-2.最新情報かを定期的にチェック(記事最適)
SEO記事ではなるべく日持ちするような見出しを設計するのが大事です。
ただ情報はどんどん古くなっていくもの。すると当然ユーザーの検索意図/ニーズも変化していきます。
上位表示を維持するためには常にフレッシュな情報をユーザーに提供する必要があるため、定期的にコンテツ(見出し)をアップデートしていきます。
6-3.別記事とのカニバリをチェック(サイト全体最適)
類似テーマの別記事を作ったときも、タイトルや見出しの調整を行います。
Google側も同一サイト内の異なるページ、どちらを上位表示させるべきかの判断に迷い、食い合うからですね。(いわゆるカニバリ)
- 記事A ← 実際に上位表示している
- 記事A’ ← サイト運営の都合上、上位表示させたい
記事最適のみならず、サイト全体最適を意識して初めて、狙ったKWで上位表示ができるようになります。
まとめ
このページでは見出しづくりの重要性/意識/作り方をまとめました。
見出しづくりを妥協すると、すべてうまく行きません。これは大げさな表現ではありません。
裏を返せば、ここを一生懸命やるだけで、記事の質や報酬単価などはもちろん、仕事全般における生産性、すべてを劇的に向上させる可能性すら秘めています。
「ローマは一日にして成らず。」
まずは「究極の見出しづくり」に徹底的に取り組み、”ライター”の枠に囚われることなく、多方面で活躍していくことを切に願っています。
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